ヘリウム風船はなぜ空に浮くの?

コハク
コハク手をはなすと、すうっと上っていくヘリウム風船。何が持ち上げているのでしょう?
30秒でわかる答え
コハク答えは、まわりの空気にありますのよ。30秒でお伝えしますね。

ヘリウム風船が浮くのは、ゴムの重さまで含めた風船全体が、同じ大きさの空気より軽いからです。空気は下ほど強く押すので、風船には押しのけた空気の重さと同じだけの上向きの力(浮力)がはたらきます。この力が風船の重さより大きいので、手をはなすと上がっていきます。

青空を背景に、糸でまとめられて浮かぶ色とりどりの風船
ヘリウム風船の糸がぴんと張るのは、上向きの力が残っているしるしです。写真:Fayez Closed Account. / CC BY 2.0 / ウィキメディア・コモンズ

空気にも重さがある

目には見えませんが、空気にも重さがあります。同じ大きさあたりの重さのことを「密度」といいます。石は発泡スチロールより密度が大きいので、まぜると石が下にしずみます。空気の中でも同じで、ヘリウムは空気より密度が小さい気体です。

下から押し上げる力「浮力」

空気の押す力(気圧)は、地面に近いほど強くなります。そのため、風船は上側より下側を少し強く押され、全体として上向きの力を受けます。これを「浮力」といいます。浮力は、風船が押しのけた空気の重さと同じ大きさだと考えられています(アルキメデスの原理)。

1リットルでどれくらい軽い?

カリフォルニア大学サンタバーバラ校の解説では、1気圧、約27℃のとき、1リットルの空気は約1.18g、ヘリウムは約0.164gと計算されています。1リットルのヘリウム風船なら、その差の約1.02gまでのものを持ち上げられますが、この中には風船のゴムの重さも入ります。

図:1リットルの空気とヘリウムの重さくらべ
1リットルの重さ1気圧、約27℃のとき空気約1.18gヘリウム約0.164g差の約1.02gまでなら持ち上げられる風船のゴムの重さも入る

数字はカリフォルニア大学サンタバーバラ校の解説による計算値です。

コハク
コハク1リットルで、たった1gほどの差なのですね。ゴムの重さまで入っているとは驚きですわ。

浮くかどうかは風船全体で決まる

つまり、浮くかどうかはヘリウムだけでなく、ゴムなどを含めた風船全体で決まります。ふつうの空気でふくらませた風船は、ゴムの分だけ押しのけた空気より重くなるので、ゆかに落ちます。ヘリウム風船の糸がぴんと張るのは、浮力が風船の重さより大きく、上向きの力が残っているしるしです。

もっと知りたい

  • 研究者は、ヘリウムを入れた気球に観測の機械をつけて、空の上の大気を調べることがあります。
  • 水素はヘリウムよりさらに軽い気体ですが、燃えやすいため、人が乗る飛行船には危険が大きいとされています。
  • 熱気球も同じしくみです。中の空気を温めると空気の粒が少なくなり、まわりの冷たい空気より軽くなって浮きます。
コハク
コハクゴムまで含めた風船全体が、押しのけた空気より軽いとき、浮力が勝って浮かぶのですわ。

3択クイズで確かめよう

ヘリウム風船が浮くのはなぜ?

答えを見る
  1. 風船全体が空気より軽いから
  2. ヘリウムが空に引かれるから
  3. ゴムが空気をはじくから

風船全体が空気より軽いから ゴムまで含めた風船全体が同じ大きさの空気より軽いので、押しのけた空気の重さと同じ上向きの力(浮力)で上がります。

参考資料

  1. Helium-filled balloon (36.39)UC Santa Barbara, Physics Lecture Demonstrations(英語)
  2. Floating in Air?University of Illinois Urbana-Champaign, Physics Van(英語)
  3. Balloons (How Things Work lecture notes, 4.1)University of Maryland, Department of Physics(英語)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。