消しゴムで鉛筆の字が消えるのはなぜ?

コハク
コハク消しゴムでこすると、鉛筆の字が消えますわね。あの黒い字は、いったいどこへ行くのでしょう?
30秒でわかる答え
コハクまずは30秒で、答えをお伝えしますわ。

鉛筆の字は、黒鉛(こくえん)という炭のなかまの粉が、紙の表面にうすく、弱い力でくっついたものです。消しゴムでこすると、その弱いくっつきがこすれてはずれ、粉は紙よりも消しゴムのほうにくっつきます。消しゴムの中の細かい粒が、表面を軽くけずる働きもしています。

短くなった鉛筆と、表面が黒くよごれた消しゴム
使った消しゴムが黒くなるのは、紙からはがれた黒鉛がくっついているからです。写真:Tomasz Sienicki / CC BY 3.0 / ウィキメディア・コモンズ

鉛筆の字は表面にのった黒鉛

鉛筆の芯は、名前に「鉛」とありますが、鉛ではなく黒鉛という炭のなかまでできています。鉛筆で書くと、紙の表面に黒鉛のうすい層が残ります。この黒鉛は、紙の中までしみこまず、表面に引きつけ合う力でくっついているだけです。その力はかなり弱いと説明されています。

黒鉛は消しゴムのほうへ移る

消しゴムでこすると、こすれる力で、黒鉛と紙のあいだの弱いくっつきがはずれます。はがれた黒鉛の粒は、紙よりも消しゴムのほうに引きつけられやすく、消しゴムの側にくっついて紙から離れていきます。これが、字が消えて見えるしくみです。

図:鉛筆の字とインクのちがい
鉛筆の字消しゴム黒鉛紙黒鉛は紙の表面にのるだけ消しゴムのほうにくっつくペンのインク紙紙の中までしみこむ表面をこするだけでは届かない
コハク
コハク字の黒い粉は、紙より消しゴムのほうが好きなのですね。使った消しゴムが黒くなるのも納得ですわ。

表面を軽くけずる働きも

もう一つの働きが、表面を軽くけずることです。ゴムの消しゴムには、紙やすりと同じ成分を、ずっと細かくした粉がまぜてあり、黒鉛をこすり落とす手助けをします。ただ、強すぎると紙を傷めるので、紙をけずりすぎない、ほどよい強さに作られています。それでも、こすると紙の表面もわずかにけずれます。

インクが消えにくい理由

ペンのインクが消しゴムで消えにくいのは、インクが紙の中までしみこむからです。表面をこするだけでは届かず、深くけずれば紙が傷んでしまいます。表面にのっているだけの黒鉛だからこそ、消しゴムで消せるのです。

もっと知りたい

  • 鉛筆の字を消すのにゴムが使えると見つけたのは、酸素を発見したことでも知られるイギリスの化学者プリーストリーです。イギリスでは今も消しゴムを「ラバー(ゴム)」と呼びます。
  • ゴムが使われる前は、かたくなったパンを丸めたものや、ろうが字消しに使われていました。
  • 20世紀にはプラスチックの消しゴムが登場しました。プラスチックの消しゴムは、ゴムのものより紙にやさしい傾向があるとされています。
コハク
コハク鉛筆の字は、紙の表面に弱くくっついた黒鉛ですわ。インクは紙の中までしみこむので、消しゴムでは消えにくいのですね。

3択クイズで確かめよう

消しゴムで鉛筆の字が消えるのはなぜ?

答えを見る
  1. 黒鉛が消しゴムにくっつくから
  2. ゴムが黒鉛を溶かすから
  3. 紙の上を白くぬるから

黒鉛が消しゴムにくっつくから 鉛筆の字は、黒鉛の粉が紙の表面に弱くくっついたもの。こするとはずれた粉が、紙より消しゴムのほうにくっつきます。

参考資料

  1. How do erasers work?McGill University Office for Science and Society(英語)
  2. How do erasers actually work? It's surprisingly complicatedPopular Science(英語)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。