カメは甲羅を脱いで外に出られるの?

コハク
コハクマンガでは、甲羅を脱いでひと休みするカメを見かけますわね。本物のカメも、脱げるのでしょうか?
30秒でわかる答え
コハク答えは、甲羅の中身にありますのよ。

カメは甲羅を脱いで外に出ることはできません。背中側の甲羅は、背骨や肋骨が平たく広がってできた骨格の一部で、体とひと続きになっているからです。表面の薄い板(甲板)がはがれることはありますが、甲羅そのものは一生体についたままです。

倒木の上で甲羅干しをするニシキガメ
倒木の上で甲羅干しをするカメ。甲羅は背骨や肋骨とつながった体の一部です。写真:U.S. Fish and Wildlife Service - Midwest Region / Public domain / ウィキメディア・コモンズ

甲羅は背骨と肋骨でできている

マンガやアニメでは、甲羅を脱いでひと休みするカメが描かれることがあります。けれども実際のカメは、甲羅から出ることができません。理化学研究所の研究グループによると、背中側の甲羅(背甲)は肋骨が平たく広がって形づくられたもので、背骨ともひと続きになっています。甲羅を脱ぐのは、人が背骨と肋骨を外すのと同じようなことなのです。

肩の骨は甲羅の内側にある

カメの骨の並び方には、ほかの動物にはない特徴があります。多くの動物では、肩甲骨(肩の骨)は肋骨の外側にあります。ところがカメでは、肩甲骨が甲羅、つまり肋骨の内側にあります。カメが腕を甲羅の中にしまうと、肋骨の内側に肩と腕をかくしているような位置になるのです。

図:肩の骨と肋骨の並び方
外側人など肩甲骨肋骨内臓カメ甲羅=肋骨肩甲骨内臓内側カメは肩の骨が肋骨(甲羅)の内側にある
コハク
コハク肩の骨が甲羅の内側にあるなんて、とても不思議なつくりですわ。

はがれるのは表面の「甲板」だけ

甲羅の骨の表面は、甲板(こうばん)と呼ばれる板でおおわれています。甲板は、人のつめと同じケラチンという成分でできています。アメリカ地質調査所の研究者によると、カメはこの甲板を皮をむくようにはがすことがあり、甲羅に藻が増えるのを防いだり、甲羅が大きくなるのを助けたりしています。はがれるのは表面の板だけで、骨でできた甲羅はそのままです。

図:甲羅のつくり
甲羅は2つの層甲板(こうばん)つめと同じケラチン古くなるとはがれることも骨の甲羅肋骨と背骨が広がってできたものはがれるのは表面の甲板だけ

甲羅は体といっしょに大きくなる

甲羅は体の一部なので、カメが成長すると甲羅もいっしょに大きくなります。ヤドカリのように、体に合わなくなった殻から別の殻へ引っこすこともありません。ブリタニカ百科事典も、甲羅は背中側と腹側の甲羅がつながった骨の箱で、カメはこれを一生持ち続けると説明しています。

もっと知りたい

  • アメリカ地質調査所の研究者は、カメの甲羅は50個ほどの骨が組み合わさってできていると説明しています。
  • ブリタニカ百科事典によると、背中側の甲羅には10個の背骨と、それにつながる肋骨が組みこまれています。
  • 甲羅の骨の由来は19世紀から議論されてきました。2013年の理化学研究所などの研究は、背中の甲羅の主な部分は肋骨が広がったものだと報告しています。
コハク
コハク甲羅は背骨や肋骨とひと続きの、体そのもの。はがれるのは表面の薄い板だけですわ。

3択クイズで確かめよう

カメは甲羅を脱ぐことができる?

答えを見る
  1. 脱いでひと休みできる
  2. 育つと脱ぎかえる
  3. 脱ぐことはできない

脱ぐことはできない 背中側の甲羅は、背骨や肋骨が平たく広がってできた骨格の一部で、体とひと続きになっているので脱げません。

参考資料

  1. 胚発生過程と化石記録から解き明かされたカメの甲羅の初期進化理化学研究所
  2. ゲノム解読から明らかになったカメの進化理化学研究所
  3. カニやカメ、ヘビ、昆虫など、脱皮のメカニズムを解き明かすナショナル ジオグラフィック日本版(米国地質調査所の研究者の解説を含む)
  4. What Are Turtle Shells Made Of?Encyclopaedia Britannica(英語)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。