あくびが人にうつるのはなぜ?

実は、研究者のあいだでも答えが分かれているのですわ。あくびが人にうつる理由は、まだはっきり分かっていません。相手の気持ちを感じ取る「共感」と関係があるという説が有名で、家族や友だちなど親しい人のあくびほどうつりやすいという研究があります。一方で、300人以上を調べた別の研究では、共感との強い関係は見つかりませんでした。

つられてあくび
あくびをしている人を見て、つられて自分もあくびが出た経験はありませんか。これが「あくびがうつる」現象です。人だけでなく、チンパンジーのあいだでもあくびがうつることが分かっています。
親しい人ほどうつりやすい
イタリアのピサ大学の研究チームは、1年にわたって大人のあくびを観察しました。すると、うつりやすさは家族、友だち、知り合い、知らない人の順で、親しい相手ほどうつりやすく、うつるまでの時間も短いことが分かりました。この並び方は共感の強さの並び方と同じなので、あくびのうつりやすさは共感と関係があると考えられました。アメリカのエモリー大学の研究でも、23頭のチンパンジーが、同じ群れの仲間のあくびを見た時は、よその群れのあくびを見た時より50%多くあくびをしました。
帯の幅は順番を表すイメージで、実際の割合ではありません。

共感とは関係ない?
ところが、2014年にアメリカのデューク大学が発表した研究では、少し違う結果が出ました。328人に3分間、あくびをする人の動画を見てもらうと、あくびの回数は0〜15回と人によって大きく違い、1回以上あくびをした人は222人でした。しかし、共感の強さや眠気、知能、時間帯とは強い関係が見つかりませんでした。
理由の多くはまだなぞ
この研究で関係が見つかったのは年齢だけで、年をとるほどうつりにくい傾向がありました。それでも、人による違いの8%ほどしか説明できませんでした。研究者は、あくびがうつる理由の大部分はまだ説明がついていないとしたうえで、そのしくみを調べることが、人の脳や体の働きを知る手がかりになると考えています。
もっと知りたい
- デューク大学の研究では、何度かくり返して調べても同じ人のあくびの回数はあまり変わらず、うつりやすさはその人ごとにほぼ決まった性質だと分かりました。
- ピサ大学の研究では、男女の違いや出身の国は、あくびのうつりやすさに関係していませんでした。
- チンパンジーを調べた研究者は、あくびがうつるのは、ほほえみやしかめっつらがうつるのと同じ理由だろうと考えています。

3択クイズで確かめよう
あくびが最もうつりやすい相手は?
答えを見る
- 知らない人
- 家族
- 知り合い
家族 ピサ大学の研究では、家族、友だち、知り合い、知らない人の順にうつりやすく、親しい相手ほどうつりやすい結果でした。
ピサ大学の研究では、家族、友だち、知り合い、知らない人の順にうつりやすく、親しい相手ほどうつりやすい結果でした。
次のクイズへ ›参考資料
- Contagious Yawning May Not Be Linked to Empathy; Still Largely UnexplainedDuke Health(デューク大学)(英語)
- Yawn Contagion and Empathy in Homo sapiensPLOS ONE(ピサ大学)(英語)
- Ingroup-Outgroup Bias in Contagious Yawning by Chimpanzees Supports Link to EmpathyPLOS ONE(エモリー大学)(英語)
- Chimpanzees' contagious yawning evidence of empathy, not just sleepiness, study showsEmory University(ScienceDaily 掲載)(英語)
内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。



