魔法瓶はどうして温度を保てるの?

コハク
コハク熱いお茶が、魔法瓶に入れると冷めにくいのは、なぜでしょう?
30秒でわかる答え
コハクまずは30秒で、答えをお伝えしますね。

魔法瓶は、熱が伝わる3つの道をまとめて少なくしています。二重の壁のあいだを真空にして、ふれて伝わる熱と、空気が動いて運ぶ熱を止め、壁を鏡のように光らせて、赤外線として出ていく熱を減らします。中身を温めているのではなく、熱の出入りをゆっくりにしているので、冷たい飲み物にも使えます。

ふたや栓を外して並べた、金属製の魔法瓶
魔法瓶は、中身を入れる部分の壁が二重になっていて、口はふたでふさぎます。写真:Schekinov Alexey Victorovich / CC BY-SA 4.0 / ウィキメディア・コモンズ

熱の伝わり方は3つ

熱の伝わり方には3つあります。ふれているもの同士で伝わる「伝導」、空気や水が動いて熱を運ぶ「対流」、そして赤外線という目に見えない光として出ていく「放射」です。魔法瓶は、この3つをまとめて少なくするように作られた入れ物です。

二重の壁と真空

魔法瓶の中身を入れる部分は、壁が2枚重なっていて、そのあいだの空気が抜かれた真空になっています。2枚の壁はふれ合っていないので、伝導が起きにくくなります。また、あいだに空気がほとんどないので、空気が動いて熱を運ぶ対流も起きません。シドニー大学の物理の教材では、中が熱くても外側の壁はほぼ室温のままだと説明されています。

鏡のような壁で放射を減らす

残る放射を減らすのが、鏡のように光らせた壁です。イリノイ大学の解説によると、黒いものは熱をよく吸い、よく出しますが、ぴかぴかの面は赤外線をはね返し、自分からもほとんど出しません。そのため、熱い中身の熱は内側へはね返されます。口は、熱が伝わりにくいふたでふさぎます。

図:魔法瓶は熱の伝わり方3つをまとめて少なくする
熱の伝わり方3つ伝導ふれて伝わる↓壁がふれ合わない対流空気が動いて運ぶ↓空気がほとんどない放射赤外線として出ていく↓鏡のような壁ではね返す
コハク
コハク鏡のような壁が、目に見えない赤外線までおさえているのですわね。

温めるのではなく、ゆっくりにする

魔法瓶は、中身を温める道具ではありません。熱の出入りをゆっくりにしているだけなので、同じしくみで冷たい飲み物も冷たいまま保てます。ただし熱の出入りを完全には止められません。2枚の壁がつながっている口の部分や、底の支えからは、少しずつ熱が伝わります。

もっと知りたい

  • 真空の魔法瓶は、発明したスコットランドの物理学者ジェームズ・デュワーの名前から「デュワー瓶」とも呼ばれます。
  • 研究や理科の実演では、とても冷たい液体窒素を冷たいまま保つためにも、同じしくみの入れ物が使われています。
  • 壁のあいだが真空だと外から空気に押されますが、材料の強さを考えて正しく設計すれば、壁はつぶれません。
コハク
コハク魔法瓶は中身を温めるのではなく、熱の出入りをゆっくりにする入れ物。だから冷たい飲み物にも使えるのですわ。

3択クイズで確かめよう

魔法瓶が温度を保てるのはなぜ?

答えを見る
  1. 中身を温めているから
  2. 厚い金属で包むから
  3. 熱の出入りを減らすから

熱の出入りを減らすから 二重の壁のあいだを真空にし、壁を鏡のように光らせて、熱の伝わる道をまとめて少なくしています。だから冷たい飲み物も保てます。

参考資料

  1. Characteristics of DewarsUniversity of Illinois Urbana-Champaign, Physics Van(英語)
  2. Thermos Flask (Workshop Tutorials for Physics, Thermal Physics Activities)The University of Sydney, School of Physics(英語)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。