タンポポの綿毛はなぜ遠くまで飛べるの?

研究で分かったことを、まずは30秒でお伝えしますね。タンポポの綿毛は、約100本の細い毛でできた、すきまの多いパラシュートです。毛のすきまを空気が通りぬけることで、綿毛の後ろに空気の輪が安定してでき、種はゆっくり落ちます。そのあいだに横向きの風に運ばれます。ただし、遠くまで飛ぶのは一部の種です。

綿毛は約100本の毛でできている
タンポポの種の上には、冠毛(かんもう)と呼ばれる綿毛がついています。エディンバラ大学などの研究チームが調べたところ、1つの綿毛は平均で約100本の細い毛でできていて、毛と毛のあいだのすきまが全体の約92%を占めていました。すかすかに見えますが、これが上手に飛ぶためのしかけです。
後ろにできる空気の輪
研究チームは、下から風を送って種を空中に浮かせる装置をつくり、まわりの空気の流れを撮影しました。すると、綿毛の少し後ろに、ドーナツのような形でぐるぐる回る空気の輪ができていました。この輪は綿毛から離れているのに、流されずに同じ位置にとどまっていました。毛のすきまを空気が通りぬけることで、輪が安定すると考えられています。

ゆっくり落ちるから風に運ばれる
毛そのものの面積あたりで比べると、綿毛は、すきまのない円盤の4倍以上の空気の抵抗を受けていました。そのため種はゆっくり落ち、風のない所で落ちる速さは秒速約39cmでした。ゆっくり落ちているあいだに、横向きの風や上向きの空気の流れが、種を遠くへ運びます。
数字は本文と同じ研究論文による。
遠くまで飛ぶのは一部の種
ただし、ほとんどの種は親の株から2m以内に落ちると考えられています。暖かく、乾いて、風の強い日には、もっと遠くまで飛ぶ種もあり、1kmより遠くへ運ばれる種があるという見積もりもあります。また綿毛は、空気がしめっている日には閉じ、乾いて風のある日には大きく開くことが分かっています。
もっと知りたい
- 綿毛の毛の1本1本は、半分以上が中空になっていて、少ない材料で軽くつくられています。
- 綿毛は、エネルギーを使わずに、空気のしめり気に反応して開いたり閉じたりするしくみを持っています。
- しめった空気の日は風が弱いことが多く、綿毛を閉じることは、飛び立つ日を選ぶ工夫だと考えられています。

3択クイズで確かめよう
タンポポの綿毛がゆっくり落ちるわけは?
答えを見る
- 毛のすきまを空気が通るから
- 綿毛がくるくる回るから
- 毛が水をはじくから
毛のすきまを空気が通るから 細い毛のすきまを空気が通りぬけ、綿毛の後ろに空気の輪が安定してできるので、種はゆっくり落ちます。
細い毛のすきまを空気が通りぬけ、綿毛の後ろに空気の輪が安定してできるので、種はゆっくり落ちます。
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- A separated vortex ring underlies the flight of the dandelion (Nature, 2018, accepted manuscript)University of Edinburgh / University of Strathclyde repository(英語)
- Engineers uncover secret ‘thinking’ behind dandelions’ seed dispersalImperial College London(英語)
内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。



