ヤモリはなぜつるつるの壁を登れるの?

まずは30秒で、答えをお伝えしますわ。ヤモリの指の裏には、とても細い毛がびっしり生えていて、毛の先はさらに数百〜数千に枝分かれしています。この小さな先端が壁にとても近づくと、分子どうしが引き合う弱い力が働き、それがたくさん合わさって体を支えます。吸盤や、のりでくっついているのではありません。

指の裏には細い毛がびっしり
ヤモリの指の裏を拡大すると、細い毛がびっしり並んでいます。研究で調べられたトッケイヤモリでは、この毛は約200万本あり、1本の太さは人の髪の毛の約10分の1です。さらに毛の先は数百〜数千に枝分かれし、その先にへらのような形の小さなパッドがついています。パッドは全部で約10億個にもなります。
分子どうしが引き合う力
ものどうしがとても近づくと、分子と分子のあいだに、引き合う弱い力が働きます。この力はファンデルワールス力と呼ばれ、ふだんはほかの力にかくれて目立ちません。ヤモリの細かいパッドは壁にぴったり近づけるので、1つ1つは弱い力でも、たくさん合わさると大きな力になります。毛全部の力を合わせると、ヤモリを壁から引きはがすのに必要と報告された力の10倍になると計算されています。
吸盤でも、のりでもない
「足が吸盤になっている」と思われがちですが、研究者の計算では、吸盤の力ではヤモリのくっつく力に足りません。しかも、空気のない真空の中でもヤモリは壁にくっつきます。足にはのりを出すところがなく、壁に跡も残りません。2002年の実験では、水の膜がなくてもくっつくことが示され、主な力はファンデルワールス力だと考えられています。

めくるようにしてはがす
くっつくだけでなく、すばやくはがせることも大切です。毛は押し当てて少し引くとしっかりくっつき、毛を30度の角度に持ち上げると、先のパッドはかんたんにはがれます。ヤモリは指をめくるようにして足を離します。走るときには、1秒に15回も足をくっつけたりはがしたりしています。
もっと知りたい
- ヤモリの毛は1本でアリを持ち上げられるほどの力でくっつき、硬貨1枚ほどの広さに生える100万本なら、小さな子どもを持ち上げられる計算になります。
- ヤモリの毛には小さな粒で汚しても、5歩ほど歩くときれいになる「自分で掃除する」性質があることが報告されています。
- ヤモリはどんな面にもくっつけるわけではなく、フッ素樹脂のような、分子が引き合う力の働きにくい面にはくっつきにくいことが分かっています。

3択クイズで確かめよう
ヤモリがつるつるの壁にくっつけるのは?
答えを見る
- 足の吸盤で吸いつくから
- 足からのりを出すから
- 細い毛が分子の力で引き合う
細い毛が分子の力で引き合う 指の裏の細い毛の先が壁にとても近づくと、分子どうしが引き合う弱い力が働き、それがたくさん合わさって体を支えます。
指の裏の細い毛の先が壁にとても近づくと、分子どうしが引き合う弱い力が働き、それがたくさん合わさって体を支えます。
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- It's not glue, suction or static electricity that keep geckos from falling off the ceilingUniversity of California, Berkeley(英語)
- Evidence for van der Waals adhesion in gecko setae (PNAS 2002)Proceedings of the National Academy of Sciences / PubMed Central (NIH)(英語)
内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。



