わさびはなぜ鼻にツーンとくるの?

答えは、辛み成分の性質にありますの。わさびの辛さの正体は「アリルイソチオシアネート」という成分で、すりおろして細胞がこわれたときに、酵素の働きで生まれます。この成分は空気中に広がりやすい(揮発性の)性質があるため、食べると口から鼻へぬけ、ツンとした刺激になります。これが、とうがらしの辛さとはちがう「ツーン」の正体です。

すりおろして初めて辛くなる
わさびの根茎(ふだん根と呼んでいる部分)には、辛さのもとになる成分と、それを変える酵素「ミロシナーゼ」が、別々の細胞にしまわれています。奈良先端科学技術大学院大学などの研究グループの発表によると、細胞がこわれたときに初めて両者が出会い、辛み成分ができます。このしくみは「カラシ油爆弾」とも呼ばれます。

もとは身を守るしくみ
もともとこのしくみは、虫や細菌から身を守るためのものです。かじられて細胞がこわれた瞬間に、相手がいやがる成分を作り出します。わさびをおろし金ですりおろすのは、細胞をこわして、この反応を起こすためでもあります。
辛み成分が鼻へぬける
岐阜大学などの研究者が日本家政学会誌に発表した論文では、わさびの辛み成分であるアリルイソチオシアネートは、とうがらしの辛みとちがって揮発性があるため、ツンと鼻にぬける辛さと独特の風味が生まれると説明しています。
時間がたつと弱まる
辛み成分は空気中へにげやすいので、すりおろしてから時間がたつと、辛さや香りが弱くなっていきます。同じ論文の試験でも、辛み成分が揮発するため、すりおろしたわさびは長く置かずに評価していました。わさびを食べる直前におろすのは、このためです。
もっと知りたい
- 同じ辛み成分は、からし(マスタード)や大根、西洋わさび(ホースラディッシュ)にもふくまれています。
- チューブ入りのわさびには、西洋わさびを主な原料にしたものも少なくありません。
- 研究グループは、辛み成分を作る細胞づくりに関わる遺伝子を見つけ、「WASABI MAKER(ワサビメーカー)」と名づけました。

3択クイズで確かめよう
わさびが鼻にツーンとくるのはなぜ?
答えを見る
- 辛み成分が鼻へぬける
- とうがらしと同じ辛み
- わさびの汁が鼻に入る
辛み成分が鼻へぬける 辛み成分のアリルイソチオシアネートは空気中に広がりやすい性質があり、食べると口から鼻へぬけて、ツンとした刺激になります。
辛み成分のアリルイソチオシアネートは空気中に広がりやすい性質があり、食べると口から鼻へぬけて、ツンとした刺激になります。
次のクイズへ ›参考資料
- アブラナ目の生体防御を担う細胞の形成に気孔形成因子が転用されていた奈良先端科学技術大学院大学
- 西洋ワサビブレンドチューブわさびとすりおろしわさび品種間の官能評価比較(日本家政学会誌 76巻10号, 2025)日本家政学会(山根京子・清水祐美・小林恵子)
内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。



