パスタはゆでるとなぜやわらかくなるの?

コハク
コハクカチカチの乾燥パスタが、ゆでるとしなやかになる。お鍋の中では、何が起きているのでしょう?
30秒でわかる答え
コハクまずは30秒で、答えをお伝えしますわ。

乾燥パスタは、熱いお湯の中で水を吸い、中のでんぷんが「糊化(こか)」することでやわらかくなります。水は外側から中心へ向かって少しずつしみこむため、ゆでている途中は外がやわらかく、中心ほど硬いままです。中心にわずかに芯が残る状態が、アルデンテとよばれます。

泡の立つお湯の鍋に入れられ、お湯につかった部分からしなやかに曲がりはじめた乾燥スパゲッティ
お湯につかった部分から水を吸って、まっすぐだった乾燥スパゲッティが曲がりはじめます。写真:Eloquence at English Wikipedia Later versions were uploaded by Chameleon at en.wikipedia. / Public domain / ウィキメディア・コモンズ

乾燥パスタの中身

スパゲッティなどのパスタは、常温で保存できるように乾燥させたものが多く、デュラム小麦の粗い粉(セモリナ)と水だけで作られます。乾いたパスタの中には、大きさ2〜40μm(マイクロメートル)ほどのでんぷんの粒が詰まっています。

熱いお湯ででんぷんが変わる

乾燥スパゲッティをいろいろな温度のお湯につけた実験では、40℃や50℃ではあまり水を吸いませんでしたが、60℃では吸う水が大きく増え、それより熱いほどさらに増えました。境目の50℃付近は、でんぷんが水と熱で変化する糊化の温度にあたります。炊きたてのご飯がふっくらするのと同じ種類の変化です。

図:お湯の温度とパスタが吸う水の量
お湯の温度と吸う水の量40℃50℃60℃より熱いあまり吸わない50℃付近が糊化の温度ここを境に吸う水が増える

棒の高さはおおよその目安です(出典の実験グラフをもとに作図)。

コハク
コハク50℃付近を境に、吸う水がぐんと増えるのですね。炊きたてのご飯と同じ種類の変化だなんて、親しみがわきますわ。

水は外から中へ

水は、パスタの表面から中心へ向かってしみこんでいきます。ゆでたパスタの断面を調べると、外側ほど水が多く、中心ほど少ない状態でした。中心にわずかに芯が残り歯応えがある状態を、アルデンテといいます。この研究では、外側はゴムのようにしなやかな状態、内側はガラスのように硬い状態になっていると考えられています。

図:ゆでている途中のパスタの断面
水は外側から中心へ芯外側:水が多い中心:水が少ない芯がわずかに残る=アルデンテ

グルテンの網目も関係する

小麦のたんぱく質であるグルテンも関係します。小麦粉の麺の研究では、ゆで始めはでんぷんの糊化が水の吸いこみを左右し、後半はグルテンの網目構造がゆるむ速さが左右すると報告されています。グルテンの多い麺ほど、早い段階で後半の状態に切り替わりました。

もっと知りたい

  • 乾燥パスタは乾かすときの最高温度で、低温(約50℃)、高温(約70℃)、超高温(約85℃)に分けられ、高温や超高温で乾燥したものは、低温のものより歯応えのある食感になります。
  • パスタの表面は、作るときに押し出す型の素材で粗さが変わります。表面が粗いほど最初に吸う水は多くなりますが、最後に吸える水の量は変わりませんでした。
コハク
コハク水は外側から中心へしみこんでいくもの。芯がわずかに残ったところが、アルデンテなのですわ。

3択クイズで確かめよう

ゆでたパスタがやわらかくなる理由は?

答えを見る
  1. お湯で小麦が溶けるから
  2. 水を吸いでんぷんが糊化するから
  3. 塩がめんをほぐすから

水を吸いでんぷんが糊化するから 熱いお湯の中で水を吸い、中のでんぷんが糊化してやわらかくなります。水は外から中心へしみこむので、中心ほど硬く残ります。

参考資料

  1. パスタ内での水の移動機構(化学と生物 Vol.52 No.9, 2014)日本農芸化学会(京都大学 小川剛伸・安達修二)
  2. Water Sorption Kinetics of Gluten-added Wheat Noodle (Food Science and Technology Research, 2016)日本食品科学工学会(J-STAGE)(英語)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。