ラッコは冷たい海でどうやって体を温めるの?

コハク
コハクアザラシやクジラのような厚い脂肪がないのに、ラッコは冷たい海で平気そうですわね。どうしてだと思われますか?
30秒でわかる答え
コハクまずは30秒で、答えをお伝えしますね。

ラッコは、アザラシやクジラのような厚い脂肪の層を持っていません。そのかわり、動物の中でいちばん密な毛皮に空気をため、冷たい海水が皮ふに届かないようにしています。さらに、1日に体重の約4分の1もの食べ物を食べ、その栄養を燃やして体の中で熱を作っています。

あおむけで水に浮かび、前足を胸の上で合わせているラッコ
あおむけで海に浮かぶラッコ。ぎっしり生えた毛のあいだに空気をためて、冷たい海水から体を守っています。写真:Matt Zalewski / CC BY-SA 3.0 / ウィキメディア・コモンズ

ラッコには厚い脂肪がない

冷たい海にくらすアザラシやクジラなどは、皮ふの下にある厚い脂肪の層で体温を守っています。ところが、同じ海の哺乳類なのに、ラッコにはこの厚い脂肪の層がありません。かわりに体を温める役目をしているのが、特別な毛皮と、たくさん食べて熱を生み出す体のしくみです。

動物でいちばん密な毛

ラッコの毛は、動物の中でいちばん密集しているといわれます。多いところでは、1平方インチ(約2.5cm四方)の広さに100万本をこえる毛が生えています。人の頭の毛は全部で10万本ほどかそれ以下なので、そのぎっしりぶりが分かります。毛は、やわらかい下毛と、その上にまばらに生える長い毛の2層になっています。

毛づくろいで空気の層を作る

この毛皮が体を温められるのは、毛のあいだに空気をためているからです。ラッコは1日に何時間もかけて毛づくろいをし、皮ふから出る油を毛に行きわたらせ、毛をふくらませて空気の泡をふくませます。この空気の層が、冷たい海水と皮ふのあいだで、熱を逃がしにくくする役目をします。毛皮がよごれると体を温められないので、いつもきれいにしておく必要があります。

図:ラッコが冷たい海で体を温めるしくみ
アザラシ・クジラ皮ふの下に厚い脂肪の層ラッコ厚い脂肪の層がないラッコのかわりのくふう動物でいちばん密な毛100万本をこえる毛毛づくろい毛のあいだに空気をためるたくさん食べて熱を作る1日に体重の約4分の1

数字は本文と同じ、アメリカ国立公園局と水族館の解説にもとづきます。

コハク
コハク1日に何時間も毛づくろいをするのは、おしゃれではなく、体を温めるためだったのですね。

たくさん食べて熱を作る

もう1つのくふうは、よく食べることです。ラッコは、食べ物から体を動かすエネルギーを作るはたらき(代謝)がとても活発で、食べ物を燃料のようにして熱を生み出しています。飼育されているラッコの観察では、1日に体重の約4分の1(約25%)を食べるといわれます。こうして、平均の体温を約38℃に保っています。

もっと知りたい

  • ラッコは、毛づくろいに使う時間が、全体の11〜48%にもなるという観察があります。
  • ラッコの頭の毛は年をとると灰色がかった白になり、英語では「海のおじいさん」というあだ名があります。
  • 生まれたばかりの子どもは、泳ぐことも自分で毛皮の手入れをすることもできないため、つきっきりの世話が必要です。
コハク
コハクラッコは、ぎっしり生えた毛にためた空気と、たくさん食べて作る熱で、冷たい海でも体を温めているのですわ。

3択クイズで確かめよう

ラッコは冷たい海でどう体を温める?

答えを見る
  1. 厚い脂肪の層で守る
  2. 温かい海流の中だけで暮らす
  3. 密な毛皮に空気をためる

密な毛皮に空気をためる ラッコには厚い脂肪の層がありません。動物でいちばん密な毛皮に空気をため、たくさん食べて体の中で熱を作ります。

参考資料

  1. Sea OtterNational Park Service(アメリカ国立公園局、ケナイ・フィヨルド国立公園)(英語)
  2. Sea otterMonterey Bay Aquarium(モントレーベイ水族館)(英語)
  3. The densest fur of any animal on earth: all about sea ottersSeattle Aquarium(シアトル水族館)(英語)
  4. The Sea Otter's Guide to SkincareScience World(サイエンス・ワールド、バンクーバーの科学館)(英語)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。