ゾウは仲間の死を悲しむの?

コハク
コハクゾウは、亡くなった仲間のそばで、不思議な行動をすることがあるそうですわ。いっしょに見てみましょう。
30秒でわかる答え
コハク分かっていることと、まだ分からないことを分けてお伝えしますね。

ゾウは仲間の亡きがらや骨に近づき、鼻や足でそっと触れて調べることが知られています。ただし、それが人間の「悲しみ」と同じかどうかは分かっていません。関心は家族だけでなく、関係の薄いゾウにも見られ、その意味は今も研究が続いています。

草原を連なって歩くアフリカゾウの家族
草原を歩くアフリカゾウの家族。ゾウは家族の群れで暮らします。写真:Cosal / CC BY-SA 4.0 / ウィキメディア・コモンズ

亡きがらに近づき、鼻で触れる

アフリカゾウは、仲間の亡きがらに出会うと、近づいてにおいをかぎ、鼻や足でそっと触れることが多いと報告されています。これまでの観察をまとめた論文によると、こうした行動は亡くなって間もない体だけでなく、日にさらされて白くなった骨に対しても見られます。同じ場所を何度も訪れるゾウもいます。

ゾウの骨や牙を選んで調べる

イギリスの大学などが行った実験では、野生のゾウの家族の前に、ゾウの頭の骨、牙、ほかの大型動物の頭の骨、木片を並べました。するとゾウは、ゾウの頭の骨や牙をほかの物より長く調べ、とくに牙に強い関心を示しました。

図:ゾウが長く調べた物(実験)
ゾウの家族の前に並べた物ゾウの牙とくに強い関心ゾウの頭の骨長く調べたほかの大型動物の頭の骨木片ゾウの骨や牙をほかの物より長く調べた
コハク
コハク骨を見分けているようにも見えるなんて、驚きですわね。

家族でなくても関心を持つ

一方で、自分の家族のリーダーだった母親ゾウの頭の骨を、ほかのゾウの骨より特に選ぶ様子は見られませんでした。ケニアで年長のメスが亡くなった例でも、血のつながりのない複数の家族が次々と訪れ、そばに立ち止まったり、体に触れたりしました。関心は家族だけに向くものではないようです。

悲しみなのかはまだ分からない

こうした行動が人間の「悲しみ」と同じなのかは、まだ分かっていません。研究者は、群れの中で誰がいなくなったかという情報を確かめている可能性も挙げています。感情が関わっているように見える点も含めて、さらに研究が必要とされています。

図:分かっていること・まだ分からないこと
分かっていること亡きがらや骨に近づき鼻や足でそっと触れる家族でないゾウも次々と訪れるまだ分からないこと人間の「悲しみ」と同じなのか誰がいなくなったかを確かめている可能性も

もっと知りたい

  • ゾウの足の裏には振動や感触を感じ取るしくみがあり、実験では牙の上にそっと足をのせる行動がよく見られました。
  • ゾウが死ぬ前に向かう「ゾウの墓場」の話は、狩りや干ばつで骨がまとまって見つかったことで説明でき、作り話だとされています。
  • 2003年にケニアで年長のメスが倒れた時には、別の家族のリーダーがすぐに駆け寄り、牙で体を持ち上げて立たせようとしました。
コハク
コハクゾウが仲間の亡きがらに関心を持つのは確かですが、それが「悲しみ」なのかは、まだ研究の途中ですわ。

3択クイズで確かめよう

ゾウは仲間の亡きがらにどうする?

答えを見る
  1. 近づかずに避ける
  2. 土をかけて埋める
  3. 鼻や足でそっと触れる

鼻や足でそっと触れる ゾウは亡きがらや骨に近づき、鼻や足でそっと触れて調べます。それが人間の悲しみと同じかは、まだ分かっていません。

参考資料

  1. Elephant behavior toward the dead: A review and insights from field observationsPrimates(PubMed掲載)(英語)
  2. African elephants show high levels of interest in the skulls and ivory of their own speciesBiology Letters(PubMed Central掲載)(英語)
  3. Behavioural reactions of elephants towards a dying and deceased matriarchApplied Animal Behaviour Science(Save the Elephants掲載)(英語)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。