温泉からはなぜ湯気が立つの?

コハク
コハク温泉から白い湯気がもくもく。あの白いものの正体は、何でしょう?
30秒でわかる答え
コハク実は、水蒸気そのものではないのですわ。

温泉の湯気は、お湯から蒸発した水蒸気が、まわりの冷たい空気で冷やされてできた小さな水滴の集まりです。水蒸気そのものは目に見えない気体で、白く見えているのは水滴のほうです。お湯と空気の温度差が大きい寒い日ほど、湯気はよく見えます。

雪の中で湯気を立てる温泉の池
冬の冷たい空気の中で、温泉の池から白い湯気が立ちのぼっています(アメリカ・イエローストーン国立公園)。写真:Yellowstone National Park / Public domain / ウィキメディア・コモンズ

水蒸気は目に見えない

お湯の表面からは、水がたえず蒸発して水蒸気(気体になった水)になっています。水蒸気はにおいも色もない透明な気体で、目には見えません。日本気象学会の会誌「天気」に載った解説では、大学生に「水蒸気は見えますか」と聞くと8割ほどが「見える」と答え、湯気と混同している人が多いことが紹介されています。

冷えて小さな水滴になる

温泉から出たばかりの水蒸気は温かいですが、まわりの空気にふれると冷やされます。冷えた水蒸気の一部は気体のままでいられなくなり、細かい水の粒に変わります。千葉県立中央博物館の解説によると、この小さな水滴が白く見えているのが湯気の正体です。

図:湯気ができて消えるまで
温泉のお湯お湯から蒸発水蒸気見えない気体冷たい空気で冷やされる小さな水滴=白い湯気また蒸発して見えなくなる
コハク
コハク目に見えない水蒸気が、冷えて見える姿に変わるのですね。

寒い日ほど湯気が多い理由

英国気象庁は、冷たい空気が温かい水の上を通ると、水面から出た水蒸気が冷やされて霧ができると説明し、温水プールの上にできる「蒸気霧」を例にあげています。温泉の湯気も同じしくみで、空気が冷たいほど水蒸気が冷やされやすくなります。冬の露天風呂で湯気がもうもうと立つのはこのためと考えられます。

湯気は霧や雲の仲間

湯気、霧、雲は、どれも小さな水滴がたくさん空気中に浮かんだものです。湯気が少し広がると見えなくなるのは、水滴がまた蒸発して、目に見えない水蒸気にもどるからです。

もっと知りたい

  • 水が水蒸気になると、体積はおよそ1700倍にふくらみます。
  • 英国気象庁によると、秋に冷たい空気が温かい海の上を流れるときにも、同じしくみの「蒸気霧」が発生します。
  • 小学校の理科でも、湯気は「熱い水蒸気が冷えて、細かい水の粒になったもの」と教えられています。
コハク
コハク湯気の正体は、冷えてできた小さな水滴。寒い日ほど、よく見えるのですわ。

3択クイズで確かめよう

温泉の白い湯気の正体は?

答えを見る
  1. 目に見えない水蒸気
  2. 小さな水滴の集まり
  3. 温泉の成分のけむり

小さな水滴の集まり お湯から出た水蒸気が冷たい空気で冷やされ、小さな水滴になったものです。水蒸気そのものは目に見えません。

参考資料

  1. Steam and Airborne WaterLondon South Bank University (Martin Chaplin, Water Structure and Science)(英語)
  2. What is fog?Met Office(英語)
  3. 水蒸気の「飽和」概念について —空気は水蒸気を含むか?—(天気 49巻3号)日本気象学会
  4. 企画展「ワクワクたいけん2005 旅する地球の水」ガイドブック 1-2 雲 浮かぶ水千葉県立中央博物館(日本財団図書館に掲載)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。