切ったリンゴはなぜ茶色くなるの?

コハク
コハク切ったリンゴを置いておくと、いつの間にか茶色に。お弁当に入れる時、気になりますわね。
30秒でわかる答え
コハク原因は、リンゴの中の酵素と空気ですの。

切ったリンゴが茶色くなるのは、果肉にある酵素が空気中の酸素とふれて、果肉にふくまれるポリフェノールを茶色い物質に変えるからです。この変化を「酵素的褐変(かっぺん)」といいます。レモン汁をかけると、ビタミンCが先に酸素と反応し、酸っぱさで酵素も働きにくくなるので、茶色くなりにくくなります。

半分に切ったリンゴの断面
半分に切ったリンゴ。時間がたつと、切り口が茶色くなっていきます。写真:Forest and Kim Starr / CC BY 3.0 us(トリミング) / ウィキメディア・コモンズ

切ると酵素と酸素が出会う

マサチューセッツ大学アマースト校の食品科学の教授は、科学誌サイエンティフィック・アメリカンで、リンゴを切ったりぶつけたりすると、傷ついた組織に酸素が入りこむと説明しています。すると「ポリフェノールオキシダーゼ」という酵素が、果肉のポリフェノールを別の物質に変えます。

茶色の正体

酵素によってできた物質は、はじめは色がありません。それがたんぱく質などと結びついたり、つながって大きくなったりして、茶色い色になります。ウィスコンシン大学の解説では、この反応を「酵素的褐変」と呼び、梨やバナナ、ナスでも同じことが起こると紹介しています。

品種で変わる早さ

ほとんどの植物がこの酵素を持っていますが、酵素の働きの強さや、もとになる成分の量は、品種や育ち方、熟し具合でちがいます。そのため、すぐ茶色くなるリンゴと、なりにくいリンゴがあります。茶色くなっても、変わったのは色と見た目です。

コハク
コハク同じリンゴでも、品種で茶色くなる早さがちがうのですね。

レモン汁が効く2つの理由

カリフォルニア大学サンタバーバラ校の解説によると、レモン汁にふくまれるビタミンC(アスコルビン酸)は、酵素より先に酸素と反応します。また、レモン汁はとても酸っぱく、この酵素は酸っぱい環境ではよく働けません。ペンシルベニア州立大学によると、レモン汁よりビタミンCの溶液のほうが、茶色くなるのを防ぐ効き目は高いとされています。

図:リンゴが茶色くなるしくみと、レモン汁が効くわけ
リンゴを切る酵素が空気中の酸素とふれるポリフェノールが変化茶色くなるレモン汁が効く2つの理由ビタミンCが先に酸素と反応酸っぱさで酵素が働きにくい

もっと知りたい

  • 砂糖やシロップをからめると、表面に酸素が届きにくくなり、茶色くなるのがおそくなります。
  • リンゴを加熱すると酵素が働かなくなるので、煮てからジャムやソースにすると、切ったときのようには茶色くなりません。
  • 紅茶やコーヒー、ココアの茶色も、作る途中でこの酵素が働いてできる色です。
コハク
コハク酵素と酸素が出会うと茶色に変わる。レモン汁は、酸素と酵素の両方に効く、昔ながらの知恵ですわ。

3択クイズで確かめよう

切ったリンゴが茶色くなるのはなぜ?

答えを見る
  1. 果肉の水分が乾くから
  2. 酵素が酸素とふれて働くから
  3. 果肉がいたみ始めるから

酵素が酸素とふれて働くから 果肉の酵素が空気中の酸素とふれて、ポリフェノールを茶色い物質に変えます。これを酵素的褐変といいます。

参考資料

  1. Why do apple slices turn brown after being cut?Scientific American (Lynne McLandsborough, University of Massachusetts Amherst)(英語)
  2. Carry Out Science: Apple BrowningUniversity of Wisconsin–Madison Division of Extension(英語)
  3. Why does lemon juice prevent an apple from turning brown?UCSB Science Line (University of California, Santa Barbara)(英語)
  4. Preserving Color and Preventing Browning of FoodsPenn State Extension(英語)

内容は 2026-10-03 時点で上の資料を確認して書いています。研究が進んで説明が変わることもあります。写真のクレジットは各写真の下にあります。